ポケモンカードゲームの共同創設者の一人であり、全ポケモンの公式デザインを手掛けてきた杉森建(Ken Sugimori)氏は、コレクターの間で「公式アートの原点」として神格化されています。本記事では、最新の市場相場および成約事例に基づき、杉森氏の描く代表的な高額カードの市場価値を分析します。
杉森建氏の代表的な高額カード相場一覧(2026年1月時点)
| カード名 | 収録パック・シリーズ | レアリティ | 販売相場 | PSA10参考価格 |
| ミュウツー | 第1弾拡張パック | 初版(マークなし) | ¥420,000〜 | ¥2,000,000〜 |
| 直筆サイン入りカード | 各種プロモ・拡張パック | – | 要問い合わせ (ASK) | ¥1,800,000〜 |
| ビクトリーメダル | バトルロード プロモ | P | ¥150,000〜 | ¥500,000〜 |
| カスミのなみだ | ジム拡張第1弾 | U | ¥25,000〜 | ¥100,000〜 |
| ミュウツー | ポケモンカードClassic | CLK | ¥3,980 | ¥15,000〜 |
主要銘柄の客観的分析
- ミュウツー(初版・マークなし)
杉森氏が描いた第1弾の「ミュウツー」は、旧裏面市場における最重要銘柄の一つです。
- 市場データ: 2026年1月現在、カードラッシュにおいてPSA8鑑定品が ¥148,000 で販売されており、状態の良い素体(美品)は40万円を超える水準で取引されています。
- 評価要因: 初代ポケモンの最強キャラクターとしての象徴性と、杉森氏による「公式設定画」そのもののポージングが、時代を超えた支持を集めています。

- 杉森建氏の「直筆サイン入りカード」
杉森氏の直筆サイン入りカードは、二次流通市場において極めて特別な「メモラビリア」として扱われます。
- 特徴: サインにはピカチュウの顔のイラストが添えられるケースが多く、これが付加価値を大きく高めています。
- 希少性: 公の場でのサイン機会が限定されているため、国内外のハイエンドオークションにおいて、1.3万ドル(約180万円)以上の高値で成約された記録も存在します。
- ビクトリーメダル(金・銀・銅)
杉森氏のデザインによる「ピカチュウ」が描かれた入賞者限定のプロモーションカードです。
- 評価要因: 「公式の証」としての性質が強く、杉森氏のクリーンなラインで描かれたピカチュウは、コレクターの間で「最も正しいピカチュウ」の一つとして資産性を認められています。
専門的視点による市場分析
歴史的スタンダードとしての「杉森アート」
杉森氏のアートスタイルが市場で高く評価され続ける理由は、その「圧倒的な公式感」にあります。
- 普遍的な価値: 杉森氏が描くポージングや配色は、全てのポケモンの「正解」として認識されています。そのため、現代の複雑なSARに比べ、シンプルながらも飽きがこない「究極のスタンダード」として長期保有を前提とするコレクターに選ばれています。
- 保存状態の影響: 杉森氏の旧裏面カードは、背景に単色やグラデーションを多用しているものが多く、表面の細かなスレやキズが視認されやすい特性があります。そのため、PSA10といった高品質個体の希少性が非常に高まりやすい傾向にあります。
現代におけるリバイバル:「ポケモンカードClassic」
2023年に登場し、2026年現在も二次流通が盛んな「ポケモンカードClassic」に収録されたミュウツーは、杉森氏の初期アートを現代の技術で再プリントしたものです。
- 市場の反応: カードラッシュでの販売価格は ¥3,980 前後と安価ですが、これは「アートの普遍性」を幅広い層に提供する役割を果たしており、結果としてオリジナル版(旧裏面)への憧憬と価値向上を間接的にサポートしています。

コレクターが注目すべき「杉森作品」の鑑定ポイント
杉森氏の描くカード、特に初期作品において市場評価を左右するのは「色彩の鮮明さ」と「エッジの状態」です。
- 水彩風タッチの維持: 初期作品特有の水彩画のような淡い色彩は、紫外線による退色の影響を受けやすいため、保存状態が価格に直結します。
- 背景のスクラッチ: シンプルな背景ゆえに、ホログラム部分の線キズが目立ちやすく、鑑定評価の減点対象となりやすい傾向があります。
- 真贋の確認: 杉森氏のサインカードは高額であるため、PSA等の権威ある鑑定機関による証明が成約の絶対条件となっています。
結論:杉森建作品はポケカ市場の「基盤」
杉森建氏のカードが市場で暴落しにくい最大の理由は、氏がポケモンそのものの「生みの親」の一人であるという事実に集約されます。
新旧問わず、杉森氏のアートはポケモンカードという文化の「顔」であり、市場が拡大するほどその価値が再認識される構造になっています。短期的な価格高騰を狙う対象ではなく、ポートフォリオの核となる「基盤資産」として、2026年以降も杉森作品は不動の地位を保ち続けるでしょう。
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